HRB - HiPeC Reseachers Blog
ヒロシマ大学発:平和構築連携融合事業の推進をめぐる事務局メンバーの日常

第24回ハイペック・セミナー終了御礼
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先日、千葉県幕張にて開催されました第24回ハイペック・セミナーは、ご来場いただいた多くの方々のおかげをもちまして、大変実り多い集まりとなりました。
今回のハイペック研究会は、前事業から変わらぬ暖かいご支援をいただいているIDE-JETRO/アジア経済研究所との共催で開かれました。会場にてサポートしていただきました望月克哉先生はじめ、多くの所員の方々にご支援いただきました。ここに謹んでお礼申し上げます。
セミナーでは、二人のスピーカーの話題提起を中心に、前後3時間にわたってみっちりと討議が行われました。「平和構築をめぐる国家と民族」と題した今回のセミナーでは、国家の内部に居住する少数集団の処遇をめぐって、どのように国家政治のメカニズムがこれを包摂/排除しようとしたかが中心的に取り上げられました。
アジア経済研究所・地域研究センター/南アジア研究グループ研究員の荒井悦代氏からは、スリランカにおける
「タミール・イーラム解放のトラ」との武装闘争がついに最終決着をみるまでの緊張したプロセスが、詳細なデータ資料分析を背景として提示されました。長期のフィールド調査に裏付けられたその発表内容は、“なぜ、特定のタイミングで、世界でももっとも克服困難といわれた民族紛争が一気に終息に向かったのか”を高い実証性のもとで統合的に解き明かすものでした。発表後、フロアからは、LTTEの崩壊をめぐる多様な要因について多くの質問が寄せられ、さらなる議論の展開を見せました。
二番手として登壇したHiPeC研究員・別所裕介は、チベットの領有問題について、中国政府とダライラマ亡命政府のやり取りをふまえつつ、本土チベット社会における宗教実践について、具体的な調査資料をもとに提示しました。特に、コミュニティ内部の社会関係と外部の圧力との間で調整点として働く「化身ラマ」の存在に着目し、そのリーダーシップのもとで進められるローカルな仏教行事への参与から、今日の宗教実践に見られる多重化した意味合いを指摘し、それが「民族の問題」へと為政者側によって恣意的に読まれることの危険性、およびそうした読み替えによる衝突発生を未然に防ぐ唯一の方策が「非漢民族集団の文化的主体性の確保」に集約されることが述べられました。
両者の発表後、ハイペック委員長・吉田修の司会進行のもとで、民族と国家をめぐる平和構築の問題点について総合討論が行われました。本セミナーで提示された“武力闘争・復興支援・領土主権・非暴力”といったトピックが、グローバル化が進む今日の紛争予防と和平定着において今後いかなるヒントを提起しうるのか、フロアから多くの意見とコメントが寄せられました。
総じて、与えられた三時間という枠内ではとうてい語りつくせない、より幅広い議論の可能性をもった集まりとなりました。
当日、おいでいただいた多くの方々にあらためて御礼申し上げます。
次回ハイペック研究会にも、今回同様のご支援・ご来聴をたまわりますよう、謹んでお願い申し上げます。
HiPeC事務局スタッフ一同
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プロフィール
HN:
ピー助(Peace-Ke)
年齢:
15
HP:
性別:
男性
誕生日:
2010/04/01
職業:
平和構築
趣味:
連携融合
自己紹介:
〔ピー助〕朝の来ない闇はない。朝の来ない魚市場もない。
〔飼い主からの一言〕ハイペック(広島大学平和構築連携融合事業)は、広島大学の基本理念である「平和を希求する精神」を具体的に追及するため、オール・ヒロシマ体制で平和構築支援の研究を推進します。マスコットキャラクターの平和構築猫「ピー助(Peace-Ke)」ともども、なにとぞよろしくお願いいたします。
〔飼い主からの一言〕ハイペック(広島大学平和構築連携融合事業)は、広島大学の基本理念である「平和を希求する精神」を具体的に追及するため、オール・ヒロシマ体制で平和構築支援の研究を推進します。マスコットキャラクターの平和構築猫「ピー助(Peace-Ke)」ともども、なにとぞよろしくお願いいたします。


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