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HRB - HiPeC Reseachers Blog

ヒロシマ大学発:平和構築連携融合事業の推進をめぐる事務局メンバーの日常

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海外講演が2012年3月20日に開催されました。

ハーバード大学 WCFIAフェローズプログラム特別講義:

「ヒロシマをアジアのジュネーブに」


【報告】吉田修 (広島大学HiPeC実施委員長、教授)
【日時】2012年3月20日(火)16:00-17:30
【場所】ハーバード大学政治・国際学センター(CGIS)南館
【司会】キャスリーン・モロニー(ハーバード大学ウェザーヘッド国際問題研究センター・フェロープログラム主任)
【参加人数】20人
【概要】
 WCFIAフェロープログラム・主任であるキャスリーン・モロニー氏の進行により、『ヒロシマをアジアのジュネーブに』という演題のもと行われた本発表では、おもにHiPeCの起源、事業の三つの柱、そして現地での活動状況に焦点が当てられた。吉田が発表のなかで強調したのは、原爆による荒廃からの復興を遂げた広島に安全な交渉の場を確保することを通じて現地主導の平和構築に取り組むことによって、HiPeCが「アジアの拠点」となること目指すという将来の展望であった。
 吉田による講演後、ハーバード、ボストン両大学からの20名の参加者による、批判も含め、活発な意見交換が行われた。質問は次の通りである。①第二次世界大戦における慰安婦問題のような未解決の戦争犯罪を扱わずに、HiPeCがアジアの拠点を目指すのはなぜか?②核の非武装をめぐる問題における広島の象徴性にもかかわらず、HiPeCがそうした問題に取り組まないのはなぜか?以上の質問に対し吉田教授は、広島が平和にとって重要な意味をもっており、平和へのより具体的な、そして積極的な活動と努力による貢献を目指すHiPeCにとって、平和は重大な関心事であるとしたうえで、広島では核をめぐる問題がいまだ議論するには敏感すぎる問題として残されていること、そして広島市が核廃絶に取り組んでおり、一橋大学が研究を進めていることから、HiPeCはそれらとは異なる取り組みとして、より今日的な紛争問題に貢献していくという立場を取っている、と応じた。グアテマラ出身のWCFIA研究員から、36年にわたる紛争からの回復を遂げていくなかで得られた教訓が紹介された。
 研究会はハーバード方式で行われた。現在、現地主導型の平和構築と能力開発を目指すHiPeCの事業に期待されているのは、ネットワークのアジアの拠点として、紛争下にある政党や平和運動家に平和構築のための交渉の場を確保することである。今回のハーバード大学での研究会は、広島という象徴的な名のもとで、責任をもって平和へのさらなる取り組みと貢献のためのHiPeCの歩みのさらなる一里塚となった。

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第28回ハイペック学内研究会が3月9日に開催されました。

 キャンパス・アジア「人間の安全保障大学連合」広島研究会

「現代インドにおける暴力の予防-モハーラ・コミッティによる予防活動への実証分析-」

【日時】
2012年3月9日(金)10:30 - 12:00image065.jpg
【場所】広島大学国際協力研究科 2階 201室(東広島キャンパス)
【報告】油井 美春(神戸大学大学院 国際文化学研究科 博士後期課程
【司会】吉田 修(広島大学国際協力研究科 教授) 
【概要】
 
インドの宗教紛争を研究主題とする油井氏による本報告では、「予防」と「コミュニティ・ポリシング」の概念を用いて、インドにおいてコミュナル暴動予防はどのように遂行されてきたのか、が論じられた。インドにおけるモハーラ・コミッティの取り組みを分析し、油井氏が明らかにしたのは、コミュナル暴動不発の背景には自治体警察と住民がコミュニティ・ポリシングを基盤にして展開した予防活動があったことであった。
 報告では、まず研究の背景として、独立以後、インドにおいてヒンドゥー・ムスリム間の暴動が継続し発生していること、そうした宗教コミュニティ間の暴動が特定地域での現象であることが説明された。続いて、先行研究の検討、研究課題の特定とその分析枠組みの紹介がなされた。具体的には、コミュナル暴動を扱った先行研究は(1)原因追求型アプローチ、(2)予防志向型アプローチの2つに分類しうることが指摘された。そのなかで当該研究は後者の予防志向型アプローチをさらに追及するものであること、「予防」と「コミュニティ・ポリシング」を分析上の概念ツールとして用いつつ、フィールド調査の手法を使った暴動予防活動の実証分析であるという研究の独自性が明確に述べられた。
 次に、ビワンディー市とムンバイー市の事例分析が、両市の取り組みの比較も交えて行われた。周辺地域における大規模なコミュナル暴動発生にもかかわらず、両市においてコミュナル暴動が発生しなかった背景には、モハーラ・コミッティ参加者による住民への説得、市警察との巡回活動に加え、市警察官と住民とのコミュニケーション促進のために実施された諸活動(地域住民との会合、祝祭、クリケット大会のようなレクリエーションの開催、女性苦情相談所の開設、パソコン教室運営、健康診断の実施等)があったことが明らかにされた。
 油井氏は事例分析を踏まえ、ビワンディー、ムンバイーともにコミュナル暴動が不発であったこと、そしてコミュナル暴動予防には自治体警察と住民による連携が必要であり、そうした連携が構築されたときコミュニティ・ポリシングはコミュナル暴動予防に有効に作用する、と結論づけた。さらに結論と関連して、警察官個人のイニシアティブに基づく活動は持続困難であり、自治体警察の住民への関心、そして住民のモハーラ・コミッティへの関与と参加こそ重要であることが強調された。 質疑応答では、参加者から、①銃の使用・普及率、殺害の方法はどういうものか、②警察と政治家との距離はどうか、癒着がみられるか、③警察の制度的なかかわり、警察が行使しうる権限はどうなっているか(関連して警察と自治体との関係はどうなっているか)、④コミュナル暴動が突発的に発生する要因としてはどういうものがあるか、など多くの質問が出され、自由闊達な議論が行われた。
【参加人数】12名


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第30回ハイペック研究会が1月25日に開催されました。

「南アジアの平和構築」
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【日時】2012年1月25日(水)13:00 - 16:00
【場所】 ジェトロ・アジア経済研究所 C21会議室(千葉県千葉市)
【報告者1】フマユン・カビル(広島大学平構築連携融合事業 研究員)
  「紛争後ネパール社会における『マデシ・アイデンティティ』の政治的興隆とその含意」
【報告者2】近藤則夫(日本貿易振興機構 アジア経済研究所 地域研究センター 南アジア研究グループ長)
    「インドにおける選挙とエスニック紛争」
【司会】 吉田修(広島大学大学院国際協力研究科教授)
【概要】千葉市のジェトロ・アジア経済研究所に場所をお借りして、南アジア のエスニック集団を主題とする研究会を開催した。第1報告者のフマユン・カビル研究員は、ネパール南部の「マデシ・アイデンティティ」を対象に、ポス ト紛争期のアイデンティティ・ポリティクスの構築について考察を行った。次に次 に第2報告者の近藤氏が、パンジャブ紛争を事例に、選挙プロセスと民族紛争 との関連の可能性を、1980年代以降に現れるヒンドゥー対イスラムというコミ ュナリズムの構図から考察した。発表後は、南アジアの議会制度とその課題、 および民族や宗教問題に関連した政治的安定性と国家建設の要素について、南 アジアの他のマイノリティー集団との比較の視点を交えつつ、フロアとの間で 活発な討議が展開された。
 
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第27回ハイペック学内研究会が12月22日に開催されました。

「37年間の交渉の末に・・・ムスリム・ミンダナオの平和はいつ訪れるのか?」

【日時】2011年12月22日(木)14:30 - 16:00
image039.jpg【場所】広島大学国際協力研究科 1階 小会議室(東広島キャンパス)
【報告】ルディ・ブーハイ・ロディル(広島大学大学院国際協力研究科 客員教授)
【司会】吉田 修(広島大学国際協力研究科 教授)
【概要】本研究会では、本研究科客員教授のルディー氏により、マギンダナオのムスリムと政府との和平合意について報告が行われた。ルディー氏は、ムスリム(モロ)と先住民(ルマド)を疎外するマギンダナオの移住民とその子孫の土地使用がモロ問題の核心であることを指摘し、モロによる先祖代々の土地占有権の承認が紛争解決のカギに他ならないことを強調した。

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(終了御礼)

 過日、駐日イラク大使をゲストのおひとりとしてお迎えした第29回ハイペック・セミナー「イラクの紛争後復興に対する国際支援とその将来の展望」が開催され、大学院生を主体とする多くの聴衆の参加を得て、成功裏に終了いたしました。おいでいただいた皆様方に感謝申し上げます。

 当日は、イラクの国際復興支援に独自の観点をお持ちの二人の演者をお招きしました。

 はじめの登壇者、ユニタール広島事務所所長のアレックス・メヒヤ氏は、「イラクにおける紛争後復興と能力開発」と題して発表を行いました。2003年の設立以来、8年間に及ぶ広島を舞台としたユニタール事務所の活動を紹介した上で、アフガニスタンとイラクの2国家に対する平和復興支援に向けた国連の能力開発スキームとその将来展望を、現地の実務者との直接的なふれあいの経験に基づいて話されました。

 メヒヤ氏は、特にイラクに対する平和復興支援の道筋として、エンパワーメント性・信頼性・持続性・視認性という4つのキーワードを提示し、そのうえで、人的資源の管理および組織開発のキャパシティ・ビルディングを着実に進めることが、復興に向けた最良のプロセスであることを力説しました。また具体的なアプローチとして、イラクの公的機関に対して能力を発揮できる、メンター制度やコーチ制度による複合的なトレーニングシステムを取り入れていくことを紹介されました。

 続いて、ルクマン・フェーリ駐日全権イラク大使が登壇され、「2003年以降のイラクの変化とビジョン」というテーマで、独裁期イラクの過酷な日々を過ごした実体験に裏付けられた意義深い議論提起を行いました。

 特に、イラクの今後にとってガバナンス要因が最重要課題であることに触れ、イラクの外交政策はサダム・フセイン期の確執を超え、隣接国との関係を軸に正しいバランスを回復しなければならないこと、米国や日本といった先行する同胞との協力体制のもとでイラク人自身の目的に沿った改革を成し遂げなければならないこと、そして、今後イラクがアラブ世界において主要な役割を担えるようになるために、チームワークを最重要視し、社会改革とセキュリティ管理能力の向上に努めていくこと、などを強調されました。
 
 最後の質疑応答の部分では、国内の組織作りを貫徹することでアメリカとの関係を改善していくこと、紛争後社会のローカルな和解と信頼の問題、真実解明の問題、といった痛みを伴う和平復興プロセスについて、イラクの伝統文化と現代的なやり方を適切にマッチングさせる形で、決して手を緩めることなく力強く推し進めていくことが語られました。大使は「イラクの人々は過去に起こったことを容易に忘却することはない」と強い面持で語るとともに、国際的な協力の輪を広げるために、そうした痛みを乗り越えて前に進んでいくことの重要性を示しました。そして日本との関係にも触れ、イラクの若い力、潜在力に満ちた国家の未来が、日本をはじめとする重要なカウンターパートとの友好関係のもとで、相互に学びあいながら進められていくことの総体的な意義をことのほか強調されました。

 閉会後は、ユニタール広島事務所所長・アレックス・メヒヤ氏より、ルクマン・フェーリ大使に対して、「ユニタール・グローバル・パートナー賞」が授与されました。オリーブの葉のモティーフが美しくあしらわれた燦然と輝く黄金のメダルがフェーリ大使に手渡されると、会場内は高揚した雰囲気に包まれました。

 当日お集まりいただいたみなさまのおかげで、意義深く新しい知見に満ちた、かつブリリアントな雰囲気の香る、印象深いセミナーとすることができました。あらためてご来場いただいた方々にお礼申し上げます。

 そして、ライブ画像を通じて議論を聴講いただいた大阪大学国際公共政策研究科のみなさま、また、ご多用中にも関わらず、本学まで足をお運びいただいたJICA中国の西宮所長に、この場を借りまして深く感謝申し上げます。 
 
 (文責・別所)

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プロフィール
HN:
ピー助(Peace-Ke)
年齢:
2
性別:
男性
誕生日:
2010/04/01
職業:
平和構築
趣味:
連携融合
自己紹介:
 〔ピー助〕朝の来ない闇はない。朝の来ない魚市場もない。
 〔飼い主からの一言〕ハイペック(広島大学平和構築連携融合事業)は、広島大学の基本理念である「平和を希求する精神」を具体的に追及するため、オール・ヒロシマ体制で平和構築支援の研究を推進します。マスコットキャラクターの平和構築猫「ピー助(Peace-Ke)」ともども、なにとぞよろしくお願いいたします。
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