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HRB - HiPeC Reseachers Blog

ヒロシマ大学発:平和構築連携融合事業の推進をめぐる事務局メンバーの日常

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第33回ハイペック研究会が11月28日に開催されました。
 
■第33回HiPeC研究会(UNITAR共催)
「2014年以降のアフガニスタンにおける平和の展望と現地社会の能力開発」
【日時】2012年11月28日(水)
15:30~17:30 セッション1 プレゼンテーション
18:00~19:00 セッション2 ラウンドテーブルディスカッション
【場所】広島国際会議場地下一階 会議運営事務室
<報告1>カマウィ・ムサ、カブール財務省人事課、局長
紛争後アフガニスタン(2001-2012-2014)における現地社会の能力開発
<報告2>嶋田晴行、JICA南アジア部南アジア第二課企画役
アフガニスタンへの支援は続くか?2014年に向けての諸問題
<報告3>シディキ・ヘダヤトゥラー、広島大学大学院国際協力研究科、博士課程前期
アフパックの政治的難局と地域の安全への影響
【司会】吉田修、広島大学教授、HiPeC事業実施委員長(セッション1)
ターナー・ブランドン、UNITAR広島担当役員(セッション2)
【言語】英語(セッション1)、英語/日本語(セッション2)
【参加人数】20名(セッション1)、48名(セッション2)
【概要】
 2001年のタリバン政権崩壊から10年が経った今も、アフガニスタンにおける平和はいまだ混迷した状態にある。2014年の国際治安支援部隊(ISAF)撤退後、アフガニスタンが有効に機能する自立的な統治体制を確立し、治安を保つことができるという保証はない。このような状況において、アフガニスタンに支援を行う国際社会の役割を再検討することが必要になっている。本セミナーでは、現地と国際社会の両方の視点から諸問題を検討した。セッション1では、二名のアフガニスタン人とJICAの専門家が2014年以降のアフガニスタンにおける平和の展望を検討した。第一報告者のカマウィ・ムサ氏は、まず過去10年における政治構造、経済および統治システムの発展について説明した。2001年の経済状況と比較すると、近年は目覚ましい発展がみられることが示された。例えば、一人当り収入が157$から629$に、外貨準備が1億$から64億$に、国内収益が0から20億$に増加している。経済、統治、政治領域における状況の改善は、過去10年に、570万人のアフガン難民の母国への帰還をもたらした。しかしながら、カマウィ氏が示したように、アフガニスタンは長期的な安全と経済発展のための国際社会の継続した支援を必要としている。2014-2024年の10年間に国際社会からの支援が継続されれば、同期間は転換期の10年となるはずである。
 第二報告者の嶋田氏は、大統領選挙と治安権限がISAFからアフガニスタン政府に移譲される2014年はひとつの転換点になると位置づけた。不確実性があるなかでも、国際社会は10回の国際会議を開催し、アフガニスタンに支援を継続することを約束した。アフガニスタンは資金的援助を必要としているが、援助国からの資金は永久的に続けられるものではない。援助された資金を有効的に使用することが重要となる。嶋田氏は、国際社会が16兆$の支援を約束し、日本も向こう5年間に3兆$の援助を行う予定であることを説明した。さらに、JICAはアフガニスタンにおいて複数のプロジェクトを実施していることが紹介された。治安、統治、援助の有効な使用が、アフガン人と同国を支援する国際社会にとって重要となる。
 第三報告者のシディキ氏は、アフガニスタンにおける紛争の歴史的遺産を検討した。イギリスによる植民地支配が生み出したアフガニスタンとパキスタンの間のデュアランド・ラインをめぐる境界問題がポスト・コロニアル期における紛争の起源となっていることが示された。アフガニスタン紛争は、冷戦とグローバルな反テロ戦争にも起因している。アメリカとパキスタンの役割は、地域の紛争の歴史と密接に関わっている。例えば、パキスタンの隠された政策が、タリバンを支援し、彼らを諸派に分裂することになった。結果、アフガニスタンの民衆は、アフガン・ナショナリズムを掲げ統一するよりもむしろ自民族中心主義的ないし宗教的に過激な傾向がある。したがって、アフガニスタンの平和はあらゆる民族宗教的搾取への対処と外部からの干渉を排除しうるかに依っている。
 報告後、国家再建過程、国家形成、安全、アフガン民衆の間の統一とナショナリズム、軍事支出、難民、近隣国との国境問題など、参加者から多くの質問が寄せられた。報告者らは、近年のアフガニスタンにおける進展をふまえ回答し、アフガニスタンへの国際社会による継続した支援の必要性が再度示された。
 ブランドン・ターナー氏が司会を務めたラウンドテーブルディスカッションには約50名が参加した。吉田修教授がカマウィ氏、嶋田氏とともに報告者として登壇した。吉田教授は、まず広島大学HiPeC事業の説明を行った。アジアにおける紛争の特徴とそのアフガニスタンとの関連を示しつつ、国際社会は出口戦略として平和構築援助を支持すべきであると論じた。永続的に支援し続けることはできないが、アフガン社会が複数国からの干渉と誤った政策により破壊されたという経緯から、国際社会には自立したアフガニスタンを構築する責任があるからである。カマウィ氏、嶋田氏からは、セッション1での報告が再度示された。質疑では治安、統治、女性の雇用、国際社会の役割などをめぐる議論があった。

      

      

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ピー助(Peace-Ke)
年齢:
14
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男性
誕生日:
2010/04/01
職業:
平和構築
趣味:
連携融合
自己紹介:
 〔ピー助〕朝の来ない闇はない。朝の来ない魚市場もない。
 〔飼い主からの一言〕ハイペック(広島大学平和構築連携融合事業)は、広島大学の基本理念である「平和を希求する精神」を具体的に追及するため、オール・ヒロシマ体制で平和構築支援の研究を推進します。マスコットキャラクターの平和構築猫「ピー助(Peace-Ke)」ともども、なにとぞよろしくお願いいたします。
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